外国人労働者と日本社会のこれから

労働力不足の時代に問われる共生のかたち
コンビニエンスストアや工事現場などで働く外国人を見かけることが多くなっているように思います。北海道の農業は、本州と比べて一経営体あたりの面積が非常に大きく、機械化が進む一方、収穫期や植え付け時には大量の人手を必要とします。十勝やオホーツクといった大規模な畑作・畜産地帯では、家族経営から法人経営への移行が進み、外国人労働者が現場のオペレーションを支える役割を担っています。5年以上滞在する「熟練した担い手」も増えており、現場のリーダーを務めるケースも見られます。
厚生労働省が2026年1月30日に発表した最新データ(2025年10月末時点)によると、日本の外国人労働者数は約257万人に達しており、13年連続で過去最多を更新しています。
日本では労働力不足のため、外国人労働者は全就業者数の約4%を占めています。国籍別に見ると、ベトナムが最も多く約60.6万人で、全体の23.6%です。次いで中国(約43.2万人)、フィリピン(約26.1万人)となっていますが、近年はネパールやインドネシアからの労働者も急増しており、特にインドネシアは前年比30%以上の増加となっています。
就業者が最も多い業種を見ると、製造業が全体の約4分の1を占めていますが、医療・福祉(介護など)、宿泊・飲食業、建設業も増加傾向にあります。しかしながら、韓国、台湾、欧州諸国との人材獲得競争が激化しており、円安の影響もあって、賃金面をはじめ「働きやすさ」や「キャリアパス」への取り組みが課題となっています。
これまでの技能実習制度では、低賃金・残業代未払い、長時間労働、深刻なハラスメント、労働災害の多発、さらにこうした状況を背景とした実習生の失踪などが問題となっていました。さらに、原則として職場を変更することが認められないため、実習生は過酷な環境に縛り付けられる状況にありました。そのため、こうした制度を廃止し、「育成就労制度」へと2027年までに全面移行されることとなります。
これまでの技能実習制度は、「国際貢献(実習)」という建前のもとで運用されてきましたが、新たに「人材確保・育成」を明確にした制度となります。これによって、1〜2年の就労など一定の条件を満たせば転職が可能になります。さらに、熟練した技能を持つ「特定技能2号」の対象分野が拡大され、家族の帯同や永住も可能となります。
日本の労働市場を見ると、こうした外国人労働者の役割は今後ますます高まっていくことは確実です。外国人はもはや「補助的な戦力」ではなく、日本社会を維持するための「不可欠なパートナー」へと役割が変わりつつあります。そのことを私たち日本人が理解することが重要であるように思います。
しかしながら、生活習慣や言語の違いによる文化的な摩擦などが課題となっています。北海道内のE市では近年、パキスタン出身者が増加しています。多くの外国人は中古車の輸出や解体業に携わっており、イスラム教の宗教施設(モスク)を設立するなどコミュニティを形成し、地域経済に一定の貢献をしています。
しかし、無許可建築や土地利用の問題が指摘されるなど、社会問題も発生しています。SNSや報道では、「不法占拠」「治安悪化」「日本人排除」などの極端な情報が拡散され、地域住民の間に不安や偏見が広がっています。しかし、実際には違法建築の多くは日本人によるものであり、犯罪増加の直接的な証拠は警察も否定しています。
外国人コミュニティ側も「不法滞在者はいない」「偏見を持たないでほしい」と訴え、合法的にビザを取得し、地域との交流イベントを行ってきましたが、最近は孤立感が強まっています。
外国人を単なる「出稼ぎ労働者」としてではなく、日本で働きたいという意志を持つ優秀な働き手として受け入れていくことが大切です。偏見や差別をなくし、外国人労働者と正しく「共存共栄」していくことが重要です。

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